読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ほんとうは何かご承知ですか

Thinking

宮沢賢治銀河鉄道の夜の一節にこんなものがあります。

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊るした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、みんなに問いをかけました。 

 こういう話です。

 

 

小さいころ、『おまえ○○の意味ホントは何か知ってるのかよ』みたいなホントを知ってるか合戦をしていた私は、そのままどーちてボーヤに育ちました。例の合戦は、ホントの意味を知らないと『知らないのかよだっさー!』『バカじゃーん!』という一方的にレッテルを張られまくることで、ひじょーにムカムカくるもので、小さいわたしは、いち早くABCを覚え、字の書き方を覚え、当時まだ3チャンネルだったNHKの教育番組を見まくりました。ビデオデッキはありましたが、録画するビデオテープがなかったので、仮病をかまして懇切丁寧に地層について説明する番組なぞを見ていたものです。

知識量で人を打ち負かそうという風潮が終わってからも、わたしは運動がめっぽうダメで、ゲームも一日一時間だったので、古本屋で立ち読みするかインターネットでFlashを見るか、家で本を読むかみたいな生活を送っていました。人と比べる材料にならなくなってから脱力気味になった時期もありましたが、結局本を読んだり問題を解いたりするのはゲームほどじゃないけれども面白いもんだという位置づけになり、今に至ります。

今ではすっかり座右の銘はちいさいころのコンチキショーの言葉で、人にカッコがつくようにちょっと変えて、『ほんとうは何かご承知ですか』にしてみています。知識欲が上がりそうですし、何より腐れ縁みたいなとこがあって忘れられない。

いずれすごい知識人になって貴族に図書室と衣食住を提供してもらって気ままに暮らすのが夢です。

 

 

しかし、知識人とはどうやってなるものか。知識人の『ホント』のほうは知らなかったので、その奮闘の話も一緒に添えておきます。

高校生や大学生、社会人になってからも、優秀であれば取り立てられるのが常だそうです。本屋の参考書のコーナーには『天才になるには』、ビジネス書には『出世するには』みたいな本がたくさんあって、しかも売れ筋だそうで、私もついつい手に取りました。天才や出世した人をたくさん集めて考察したり、人ではなくてそのノートや仕事道具に着目したり、天才本人にインタビューしたり、工夫が凝らされていてなかなかおもしろかったように思います。

ただ、向上心とか明るい心とか抽象的な表現が多いんですよね。『記憶を司る海馬と感情を司る偏桃体が近いことが関連するのか、楽しいとか面白いとかの明るい感情があると記憶がしやすくなるという統計がある』とまで書いてあれば、『ほんほんそうなのか』とも思えるんでしょうが、『向上心が成功を呼び寄せる。向上心を持つことだ』でとどまっていることが多いんです。わたしは、あいまいな表現には『ホントはどうしてかわかる!?』って隣の家のムカツクヤローの言葉が浮かぶので、インターネットやらで調べるようにしましたが、その本だけで読み応えのある本が欲しいですよね。ためになるか、という方向性ではあまりおすすめではないですね。当たりはずれが激しい。

ただ、『なるには本』を読みまくっている中で、辞書は紙を使えとかオカルトちっくな結論に至ってるものも多くて、かといって隣の本は電子辞書を使えに至ってたりして、なかなかに面白い体験でした。『おまえどうやって工夫してんの?』ってたくさん聞き出せる機会はそうないですから、そういうお隣の芝の色を確認するくらいの姿勢でたくさん読むのが非日常で面白い。役立てようかなってのはさておきとして。

 

『天才になるには』もそうですけどせっかく気になったことができたのなら、なにかにとらわれず、自分でいろいろ試してみて、どんどん変わっていくのがいいんじゃないでしょうか。ウメハラというプロゲーマーの受け売りですけど、わたしもそうしました。

日記でいえば三日坊主になるのか、ならないのか、デジタルで書くのか、アナログで書くのか、量はどれくらいなのか、色んな選択肢があって、それぞれのニーズを最高に満たせるカタチもまた色々です。本に書いてあるカンペキな仕事術は、書いた人にとってカンペキなのであるわけで、合わないこともありますから、変えていかなければいけません。もちろん、なんにもかえないのもその人のカタチですけど。ニーズさえ満たせていればそのカタチなんてどうでもいいわけですね。

 

それでも、気になったならすぐそれに飛びつく好奇心とフットワークと、ちょっとやそっとの難しさくらいなんでもない!と肩ひじ張れるくらいの気概は欲しいですよね。それがないばっかりに諦めてしまうのは、他人の生き方があるとはいえ、わたしにはもったいないなあと感じるわけでして。

 

 

参考までに、奮闘中に参考になった本やらURLをまとめておきます。学生のニーズなのですが、知識を得る方法、考える方法、それらを行う姿勢など、新しい知見を開くなかで面白かったものたちです。どうぞよろしく。

 

『いかにして問題を解くか』G.ポリア/丸善

『13歳からの頭がよくなるコツ大全』小野田 博一/PHP研究所

『数学でつまずくのはなぜか』小島寛之/講談社現代新書

『勝ち続ける意志力』梅原大吾/小学館101新書

数学ガール結城浩/ソフトバンククリエイティブ

『The Pen Is Mightier Than the Keyboard Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking』Pam A. Mueller, Daniel M. Oppenheimer (2014) / Psycological Science

理系での,まとめノートを使った効率の良い勉強方法

 

 

これらを読んだ結果、どういう結論に至ったかの話はまたいずれ覚えていれば。

広告を非表示にする