測量野帳を余すとこなく使えない記事

測量野帳の活用法、といったような記事をあまり見かけません。いくつか理由が考えられますのでそれを書き残します。それから、活用法を考えてみます。

また獲物のアテもつけずに知識狩りに出かけたかのような記事なので、長くなっていますから、先に結論から申しあげておきますと、測量野帳は唯一無二ではないということです。それから、カレンダーを印刷して挟み込んでいるので、その配布もしております。

 

 測量野帳と言うと、コクヨが出している、主に測量士向けの手帳です。ポケットにさっと入り、立ってかけるようにハードカバーで、外で使っても良いように汚れに強い紙を備え、測量に使える罫線がつけられ、パッカリ開きやすい製本がなされ、200円かそこらで買えます。他のところからも出ていますが、たとえばナカバヤシのものだと製本の方法が違ったり、無印のものだとカバーが少し薄かったりします。

特徴と言ってもわたしがパッと見て気づいたのはこれくらいです。安さといい、品質と言い、両方を他の高価な手帳、例えばモレスキンロディアが出しているものと十分戦えるレベルで備えていて*1好い商品だと思いますが、彼らに対してカスタマイズはまだしも、手帳術として引き合いに出されることはそうありません。なぜでしょうか。

 

まずわたしが考えたのは、基本性能から突出した点の目的が、手帳のニーズと少しずれていること。測量野帳の名の通り、あくまで測量、少なくとも屋外で使うように作られています。手帳と言う標準の体裁に追加された、特定のニーズに対応する機能は、多少泥がついてもへっちゃら、測量に使いやすい罫・製本なのであって、通常手帳の出番とされるデスクワークで泥なんかつけるような場合が考えにくい。あるとすれトイレに落としてしまったくらいですが、しょっちゅう落とす人よりも、一回落とせば学んで落とさなくなるようになる人の方が多いでしょうし、そもそも手帳をトイレに落とす経験を持っている人はそういないでしょう。他と比べてなんらか特化した機能があるから、『○○手帳の活用術』が生まれるわけですが、測量野帳は測量用の手帳。あくまでオンリーワンなのであって、文房具雑誌で活用術が取り扱われるよりも、測量士や土木作業などに携わる人たちの手帳談義で出てくるのが普通なのであって、そしてそれらはビジネスマンたちよりも少ないのであって、活用術を書く人が少ないから、結果的に目立たない。実際、工事現場での活用術を探すと出てきます。フットサルは、ボールを蹴ってゴールに入れるとはいえ、あくまでフットサルであって、サッカーと共通点があるとすれ、別のスポーツであるから、サッカープレイヤーからフットサルの話をたくさん知っているとは限らないのです。

次に、値段と入手経路の面です。測量野帳は、小さな文房具店だと置いていなかったりして、ホームセンターで見かけることの方が多い手帳です。手帳を探している人は、もっぱら文房具店、あるいは書店に出かけるでしょうが、出会わないこともあるわけで、手に入れる人口が少ないために話題にあがりづらい。また、値段も200円しないくらいなので、むしろ安すぎてビジネスで機能を求める人の価格帯ではありません。エディションにもよりますが、コクヨのジブン手帳は3000円、ほぼ日手帳能率手帳モレスキンは2000円とかで、桁がひとつ違うのです。もちろん彼らは罫線が『手帳』なのであって、測量罫やルールドではないなどの違いがありますが、手帳ユーザーが求めている価格帯とは異なります。かといって、測量野帳と同じ価格帯と言うと、ルールドや無地、方眼だけれども、ハードカバーではないものか、ハードカバーとしても百均のダイスキンくらいなので、文房具店というよりも、雑貨屋や百均に出向く客層の方が多そうに感じます。あくまで予想ですが、値段・入手経路の両方が、ちょんびりズレています。

測量野帳の手帳術が少ないのはこのへんが原因と考えています。かなり気に入っている手帳なので、他の人のものから工夫を盗んで来ようと画策していたのですが、うまくいきませんでした。したがって理由についてウンウン考えていたのですが、まあこれくらいでも十分でしょうか。

 

ですから、測量野帳のおすすめできる点は、最初に言った通り、ポケットに入って、ハードカバーで、開きやすくて、200円というところで、モレスキンのようにポケットがついていたり、ゴムバンドがついているわけではなく、あくまでシンプル・イズ・ベストを貫いているということにあり、あんまりシンプルすぎて、個別で使い方を語る必要がないくらい、手に取った瞬間に使い方をすっかりわかってしまう類の手帳なのです。

それでも、ヤチョラーとしてもっと使いこなしてみたいと思う人は多いと思いますので、いくつか書いておきます。

まず、野帳のハウツーを求める人に。

野帳そのもの活用術の情報は非常に少ないです。TwitterInstagramコクヨのサイトなどで検索してやるくらいのことが、情報源の主なところです。一部では、野帳専門の本などもあるそうです。

それから、トランシットはさすがにないでしょうが、レベルならルールド、スケッチなら方眼のハウツーを探すとよいでしょう。罫線で攻める方法です。これなら、『頭のいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』『100円ノート『超』メモ術』などの著名な本が出ています。

また、自分で育てていくことも肝要です。使っているうちに不便になったら変えればいい、途中で記法が変わるのがイヤなら200円ですし買い直しも視野に入れていい。いかんせん情報源が少ないので、自分に合った使い方を見つけられるとも限りませんし、探すのに時間がかかって使うのが億劫になってしまうくらいなら、使い始めてみたほうが精神衛生上よいです。

 

それから、野帳をどう活用しているか。

近所でレベルブックしか売っていないので、それを買って、普通のルールドノートのように使っています。RPGなどで、レベルアップする作業を『レベリング』と言いますが、名前にまんま『LEVEL』と入っているので、これ使ったらレベルアップするんちゃう?くらいの思いで使い始めました。なんというか、緑色なのがクラシカルでいいですよね。

Googleスプレッドシート万年カレンダーを作って、それをクリップで止めておけばダイアリー完成ってな具合です。カスタマイズと言うとこれくらいです。下に置いておくので、適当にコピーしてってください。私が使うときに便利なので、今月と来月のカレンダーも用意してあります、もちろん好きな月を入力できます。

docs.google.com

万年カレンダーは、これを参考にしています。Excelの基本操作から学べるので見たい方はこちらを。

liginc.co.jp

中身としてはToDoリストが大概です。ノートも持っていない、パソコンもない、そういうふらっと歩いているときに、野帳だけ持ち歩いてそれにメモすることもあります。レベルだと縦に罫線が入っていますが、それだけでなく横の罫線も全部おかまいなしで、うじゃっと書いて、終わったらペンでぐりぐり塗りつぶしてしまう。モレスキンも同じ使い方をしていましたが、やっていないことが目立つので便利です。

この時点ですでに、測量野帳というよりも、ただのルールドノート、いっそのこと紙であればなんでもいい使い方です。それでも野帳なのはひとえに、頑丈だし、安いし、かっこいいからです。多分世のヤチョラーが、あまり情報発信しないのは、人数が少ないだけではなくて、本当はもっといるけれど、『野帳を』有効活用しているという感覚よりも、わたしと同じく、『紙を』活用しているという感覚だからなのではないのでしょうか。

 

それにしたって、面白いノートです。そのうち10冊セットで買う予定ですが、その時の包装もまた無骨で、『らしくて』いいんですよね。

そんな感じ。

*1:さすがにゴムバンドとか万年筆に特化してるとかはないけれど