教育者特有の疑念を晴らす

教育者としていくつかあるだろう疑念について、ゲタの履かせ方、パターンにはめていないか、否定してよいのかについていくつか考えを書いておきます。

毎回長ったらしくて回りくどいので先に内容を伝えておきますが、先ほどの主題についての答えはすべて『問題ない』となります。

 

教育において気になった問題としては、如何ほどのゲタを履かせてやればいいかという問題です。のべつまくなしにわかりよい表現に言い換えることは、想像力を養うに問題があると思われますが、かといってその表現を控えてはとっつきづらくなって、その学問の普及に難が出てくるのではないかということも起こりそうです。

ゲタを履かせるということはわかりやすいという対象に限りません。その事項がどのような疑問から生まれて成立することになったかという成り立ち――ここでは細かい理論や装置は、わからないけれどもなにやらすごそうなモノとして扱う――の説明をするのか、それともわかりやすい例えをしてやるべきか、その他、ゲタはいろいろに種類があります。教科書はずいぶんよくできていて、少し難しい表現があってもそれも勉強と捉えられますから、ゲタは履かさない主義の人もいるでしょう。

理解力が高くても、興味がなければあまり効果は挙がらないでしょうし、興味があっても計算ミスを扱いなれていなければうまく出来上がらなくてつまらなく思いをするでしょう。こちらからハードルを下げてやるというのはひとつの選択肢ですが、もちろんどう進めばよいかよたよた行くのを見守って、根気強く道端の看板となってやるというのも立派な選択肢と思われます。面白おかしくやるのもひとつのアンサーですが、どれについても明確な意図を持ってカードを切り、その効果を分析することができれば、ゲタを履かせようがなにをしようが、すべての道はローマに通ずと言う具合になると思われます。

 

教えるという行為は、何を対象にして何をするかといった動作ごとに分類することができます。どちらかというと、やることパーツを組み合わせて授業を作るというイメージを持つということでしょうか。先ほどのように歴史を語る、理論を例える以外にも、作業の時間をとる、用語の補足をするなどの「やることパーツ」に分類することで、単純に時間を組み立てやすくなるとか、パーツをねらいとともにまとめれば授業のチートシートにも、研究授業の資料にもできます。パーツごとに評価をすることもできるので、研究授業でもそうですが、自分で反省するにもよいでしょうし、パーツが意図した効果を俯瞰することで、どれだけの情報がどれだけの偏りで構成された授業なのかがわかるようになるのではないでしょうか。

このパーツに分ける行為をカプセル化とかモジュール化とかいいますが、これは再利用性を高めるとか先に挙げたような俯瞰の点で有利です。すべての生徒を類型にわけて、対応した手札を投げつけているように思えますが、RISCは省スペースであるにしても結局CISCのモジュールを作っているわけですし、教員や教科書といったフィルターを通す時点でそれは教科書の内容でも理論でもなく、それをスクリーンに映したものなのであって不可逆な情報の伝達なわけですから、暗黙的にせよ明示的にせよモジュール化は行われるのです。道具をいくつか用意しておいて研いでおき、その七つ道具をいろいろに応用しながら使うというのは、頭の中にまとめた十徳ナイフとどっこいなのではないでしょうか。

 

また、バツをつけること、ひいてはアイディアを否定することが感性にいかなる影響を与えるかどうかが気になるかもしれません。彼らが本来持った感性を果たして塗り替えてよいものか迷うかもしれません。

先ほどのゲタを履かせる履かせない以前の問題で、教えるということそのものが、いいことなのか悪いことなのかという問題にまで立ち返ることだってしばしばあるでしょう。

わたしの見解としては、正解を与えること、否定することが当人の感性に影響することが重大とは思えません。学校とは、平等かつ集中的に教育を施す場であって、そこでの演習はお試しにすぎません。こんな方法があってメジャーなので、高効率に学習するべく演習をしてみてくださいという話であって、当人の感性にマルもバツもつける行為ではないように思われます。

競争原理みたものに肩までつからせるということは多少なり影響を与えるでしょうが、それ自体も利用するものです。競争することで脱落するとかよくなるというのではなく、本来よりよくなるために競争が持ち出されたのではないでしょうか?これは道具として付き合うべきです。

とにかく教育の現場での感性というのは、本来の自己とは少し隔たったものと思われるのです。

 

さて、これで当初の主題について明瞭不明瞭は別にして文章をあてることができました。どれかひとつでも新しいことをお目にかけられたなら幸いです。

そんな感じです。